野尻湖発掘について

野尻湖発掘ではナウマンゾウの臼歯発見以来、日本の旧石器時代の野尻湖の環境、
そして人類の姿を明らかにする発掘がおこなわれています。

私たち野尻湖発掘調査団は長野県上水内郡信濃町、ここに位置する野尻湖で発掘調査をおこなっています。野尻湖の発掘は1962年(昭和37)から始まり、現在までに20回の湖底発掘を通して多くの成果をあげています。

ナウマンゾウの牙とオオツノジカの角が並んで発見された、「月と星」は野尻湖発掘のシンボルです。現在では絶滅した大型哺乳類、ナウマンゾウとオオツノジカが共に生きていた旧石器時代の野尻湖の姿をつたえる化石のひとつです。

野尻湖発掘では動物の骨で作られた道具、骨器が見つかります。旧石器時代に野尻湖で生活していた「野尻湖人」はナウマンゾウやオオツノジカを狩猟し、食料とするほか、その骨を加工し、生活に使っていたことが骨器の発見からうかがえます。野尻湖に人類が住んでいたという証拠は人類のルーツを探る上でもたいへん重要な発見です。野尻湖ではまだ人骨や人の足跡は見つかっていません。これからの発掘にさらなる期待がかかります。